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本拠点の研究の核となるタンパク質中の原子の「うごき」を可視化することは難しいことですが、構造解析の静的な概念を脱却するためには必要不可欠です。
これまで、タンパク質の動的解析にはX線自由電子レーザー(XFEL)や核磁気共鳴(NMR)法が用いられてきました。しかしながら、X線は電子の少ない水素原子や電子のない陽子の検出が難しいという欠点があり、NMRは扱えるタンパク質分子のサイズが小さいという欠点があります。
そのため、実験から得られる貴重な分析結果から生命機能に重要な水素の挙動を予測・解明することは困難です。

一方において、本拠点が目指すシミュレーションと構造解析をデータサイエンス手法によって統合する試みは、世界的にも注目を集めているものの、個々の研究者がバラバラに研究を推進しているのが現状です。
本学には、分子シミュレーションによる生物物理学・創薬科学、Cryo-EMによる構造解析、近隣にはX線構造解析・中性子構造解析を専門とする研究者が数多く在籍しています。本拠点では、これらの研究ポテンシャルを集結させることにより、分野を超えた学際的で独創性の高い研究を展開しつつ、筑波大学の新たな強みになる研究拠点となることを目指し、研究活動に邁進します。